机と記憶

学校机を目の当たりにすると多くの方が思わず「懐かしい!」とおっしゃいます。と同時に、学生の頃の記憶が蘇ってきて、つい会話が盛り上がったり。そんな風に、”もの”には記憶や想い入れについての対話を媒介する力があると考えています。

古材研究所のプロダクト第1弾は、古材×塗装の可能性を皆さんと共に探求していく試みです。学校机の天板に、思い入れや所縁のある素材を塗装します。

竹炭を塗装した学校机

もちろんそのままでも十分に魅力的な学校机ですが、自分が住んでいる(住んでいた)場所で取れた土、愛用していたけど、生活スタイルの変化で使わなくなった陶器、ものづくりの中で出てしまう廃材などを天板に塗装することで、個人的な愛着が生まれ、より長く付き合える”もの”になっていくのではと考えています。

地域の田んぼから採取した土を塗装

この塗装方法は塗り足しや重ね塗りが可能で、万が一割れが出ても様々な素材で継ぐことが出来ます。そうしたメンテナンスを繰り返しながら長年使用することで、”もの”が育ち、また”ものへの愛着”も増していくと考えています。クライアントと受注者という既存の関係性を超えて、それぞれが生活する者として素材、そして”もの”と向き合う暮らしの選択肢となればと思っています。

使われなくなった瓦を粉砕して塗装

表面の仕上げは磨きやオイル仕上げも可能ですので、用途や趣向に合わせて選択していただけます。

素材サンプル

このプロジェクトは、エポキシ樹脂塗装などの特殊塗装を得意とする中村塗装工業所のなかむらしゅうへい氏との協働プロジェクトです。こちらで用意する机に限らず、お手持ちの机や椅子の天板・座面、既存の壁や床にも施工可能です。ご興味がおありの方は是非お気軽にお問い合わせください。

*上記にもあるように、このプロジェクトは敢えて施工直後を完成とはせず、生活の中で使用していくことで出る傷やヒビ割れなどもあらかじめ想定し、メンテナンスをしていくことで”もの”を育て、関わる人それぞれが主体的に”ものづくり”を楽しむことを目的とした取り組みです。もちろん施工直後の状態でも素材を生かした仕上がりを追求しておりますので、安心してお問い合わせください。

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